胸いっぱいの愛を君に
隣の特権。

彼女

『なんで?なんで?』

「さーゆーかー?
 早く起きないと遅刻するわよー」
ママの声。

ここ最近、同じ夢ばかり見る。
由紀と亜子が手をつないで
どこかへ歩いていく。
それにあたしがなんで?と言う。

木崎亜子(きざき・あこ)。
バスケ部所属の元気系女子だ。

結局、由紀と亜子は付き合うらしい。
由紀が前から亜子のことを
好きだったというのと
亜子も由紀が気になっていたとのこと。

そんなあ・・・。

亜子は嫌じゃないけど
やっぱ、考えちゃうよなあ。

あれから、1年。
亜子はどうしてるのかな?
好きな人と結婚して
好きな人の子供ができて。
幸せに暮らしているのかな。

あの日の夢を
叶えることはできましたか?

学校へ行くと、
由紀が笑顔で話しかけてきた。

もういいや。
彼女になれなれなくたって
楽しかったらそれでいい。

笑いあえたらそれでいいよ。

そう、心に誓った。

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