胸いっぱいの愛を君に
「入学式なので、並んでください。」

みんなは緊張しているのか、
一言もしゃべらない。
唯一しゃべるのは、
麻衣とあたしくらいだ。
「あいつ、やけにあご出てなかった?」
「思ったあー!」
軽い雰囲気のあたしたちは緊張のかけらも無かった。

入学式はほとんど
お祝いの言葉や校長の話で
やはり、長い。
早く終われと思っている人のほうが
絶対的に多いなと思った。

退屈な入学式も終わり、教室に戻ったあたしは
静かに席に着いた。
麻衣はプロフィールかなんかを
いろんな人に渡してる。

すると、1人の子が話しかけてきた。
「どこ小出身?」
「T小だよー」
「そうなんだ!あたしはM小!」
かわいい笑顔が特徴的。
彼女の名前は、香澄愛羅(かすみ・あいら)。
あっと言う間に仲良くなった。

ほっと一息ついていると、
ななめ前の男の子が目に入った。
ぱっちり二重で、まつげが長く
その男の子から目を離せなくなった。

一目惚れ。
気づいたら、君を見つめていた。
君のことが好きだった。




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