胸いっぱいの愛を君に
見えない明日。

歪み

今、校門の前に立っている。
入りたくないなあ。

「さゆっ!おはよ」
後ろから来た奈々が元気よく
あいさつをする。

「あ、おはよ」
「どした?元気無いね。」
奈々に昨日のことを話した。
奈々は、静かにうんうん、と聞いてくれた。

やっぱり、さすが親友だ。

「あ、亜子来たよ。」
奈々がすかさず教える。

亜子にあいさつしなきゃ!
「お、おはよう!」
「おはよ」
亜子はそっけなく冷たく返した。

「ねえ、亜子!」
「何?何か用?」
「昨日のこと・・・なんだけど、」
「話すことなんか、何も無いから。」
亜子は、そう言い残して自分の席に向かった。

亜子・・・・・。

放課後、部室で沙衣ちゃんに相談にのってもらっていた。
「先輩は、結局どうしたいんですか?」
「え?」

わからなかった。
自分がどうしたらいいのかも、
自分の気持ちも。

こうしているうちに
世界は変わっていたの。

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