胸いっぱいの愛を君に
由紀くんとは、まだしゃべったことは無い。
えりの隣の席で、つまり同じ班。
班員は
えり
あたし
由紀くん
小松くん
田中くん
山田さん
の6人。

早くしゃべれることを
期待しながら席に着いた。

それと同時に担任が。
「お前ら~!早く座れっ」
今日も立派なあごだ。

1時間目は英語。
ちなみに初授業。

英語は通称・鬼教師、山川が担当している。

「Hello-!」
見知らぬ外国人が英語で話し始める。
「こちら、Mr.Johnです。」
担任が紹介が終わると、えりが笑い出した。

「さゆ!!あの人輪ゴムしてない!!??」
ほえ?輪ゴム?

確かに頭に一直線のラインが入っている。
輪ゴムじゃあ、ないだろー
「違うと思うよー笑」
答えると、さらに笑い出した。

すると、一緒に笑っている由紀くんが振り向いた。
「そうだよな!」
あまりにびっくりしてどもってしまった。
「うっ、うん!!」
話すのは、これが初めてだった。

授業内容は、このJohnに質問をするというもの。
班で話し合って決めなくちゃいけない。

「質問どうするー?」
班長のえりが仕切り始める。

「Johnて、どこ出身?」
「ロシアじゃないのー?」
「何が名産かな?」
「うんとねー、」
さっきので緊張感はすっかり抜け、
普通に話せるようになっていた。

「あっ、マカダニア・ナッツは!?」
ん?
「ダミだよ!」
意外な一面を見せられ、ますます
気になってきた。
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