胸いっぱいの愛を君に
ピンポーン
「はーいっ」
「さゆかだよ。」
「さゆかーあっ」
勢いよく麻衣がドアを開ける。

「待ってましたあーっ
 入って!」
あたしは静かに階段をのぼり
麻衣の部屋に入った。
することはただひとつ!
さっきの恋バナの続きだ。

麻衣はいすに座り、あたしはベッドに座る。
「飛鳥、かっこよすぎだよね!」
「由紀だしー!」
さっきも聞いたようなこの会話。
「でもさ、そんなに好きなら告っちゃえばいいのに!」
麻衣はじっとこちらを見つめる。
「な・・・何よ?」
「さゆかも告るなら、告る~っ」
は?あたしは耳を疑った。
「無理に決まってるでしょ!
 第一、ふられるし。」
「やってみなけりゃ、わかんないよ?」
麻衣はにやにやと笑い始める。

しょうがない!
と、こぶしをにぎりしめながら
決心した。

「わかったよ!」

このとき、あたしは自分に甘かった。
OKしてもらえるかもって
どこかでそんな気がしてた。

そんなはずなかったのに。
< 7 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop