こころ、ふわり
気を取り直して廊下を再び歩き出した私は、保健室にたどり着いてドアに手をかける。
ん?と首をかしげる。
鍵がかかっているらしく、開かない。
夏休み中だからなのか、いつも保健室にいる養護教諭のクニコ先生はお休みなのだろうか?
クニコ先生は50代のベテランの先生で、とてもサバサバしていて面白い話もしてくれるから私は大好きだ。
授業をサボって眠りに来る生徒には厳しいらしい。
頼りにしていたクニコ先生が不在で、私は困り果ててしまった。
じんじんと痛む左手首を見やる。
冷やしてはいるものの、どんどん痛みが増してきた。