こころ、ふわり


気を取り直して廊下を再び歩き出した私は、保健室にたどり着いてドアに手をかける。


ん?と首をかしげる。


鍵がかかっているらしく、開かない。


夏休み中だからなのか、いつも保健室にいる養護教諭のクニコ先生はお休みなのだろうか?


クニコ先生は50代のベテランの先生で、とてもサバサバしていて面白い話もしてくれるから私は大好きだ。


授業をサボって眠りに来る生徒には厳しいらしい。


頼りにしていたクニコ先生が不在で、私は困り果ててしまった。


じんじんと痛む左手首を見やる。


冷やしてはいるものの、どんどん痛みが増してきた。


< 10 / 633 >

この作品をシェア

pagetop