こころ、ふわり


菊ちゃんとこんな平和な会話をしながら帰った翌日のこと。











もう大会まであと数日だというのに、なかなか成果が上がらない私たち部員に痺れを切らした顧問の先生が、


「試合に出る予定の奴らだけ、気合い入れるために走り込み行ってこい」


と指示してきた。


さすがにこのタイミングで走り込みは体力を消耗するし、試合前なのだからできれば弓を握りたいところだ。


そのように、部長の子や副部長の菊ちゃんが先生に訴えても、先生は聞く耳を持たなかった。


この先生は何かがあるととにかくグランドを走らせるのがいつものやり方。


私たちは従うしかなかった。


< 111 / 633 >

この作品をシェア

pagetop