こころ、ふわり


保健室ではクニコ先生が私を見るなりとても驚いたような表情をしていた。


「どうしたの!?」


「左足首、たぶん捻挫してます。それから左の脇腹に野球部の硬式ボールが当たってます。あとは、左手?」


芦屋先生は私の痛めているところをすべて知っていた。


まさか左手の違和感まで分かられているとは思っていなかったので、少し戸惑った。


痛い素振りは見せていないはずなのに……。


「じゃあちょっとそこに横になってもらうかな」


クニコ先生に言われるがまま、私はベッドに体を倒した。


「じゃあ、あとよろしくお願いします」


芦屋先生はクニコ先生に向かって頭を下げると、菊ちゃんと一緒に保健室を出ていった。


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