こころ、ふわり


実行委員会の話し合いも中盤にさしかかった頃、高野先生がおもむろに黒板に4つほどのグループ分けを書き始めた。


8つあるクラスを4つに分け、それに合わせて先生たちも数人ずつ分けられた。


私の3組と澪の6組が一緒だった。


そこまでは良かったが、問題は先生たちだった。


お互いのクラス担任と、他に2人の先生、そして徳山先生と芦屋先生がいた。


誰かが私たちのことを知っているのかな、と思うくらいみんな一緒だったので怖かった。


このグループ分けも高野先生の独断と偏見なのかもしれないけれど、今の私にはちょっとつらかった。


「このグループでホテルのフロア管理をおこなってほしいんだ。ホテルは4フロア貸し切るから、みんなで時間ごとに交代で見張りをするように。部屋割りとか、そのへんのことは先生たちと相談してください」


高野先生はそう言って、グループごとにいったん集まるように指示をした。


「ラッキー」


と、とても小さな声で澪が嬉しそうに言うのが聞こえた。


徳山先生と一緒だから喜んでいるらしい。


私も喜びたいところだったけれど、近づきたくても近づけない芦屋先生との距離が気になって、喜べなかった。


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