こころ、ふわり


月曜日は美術の授業もある。


気まずいこと尽くしの月曜日で、私の頭はパンク寸前だった。


午前中はいつもと変わらず過ごしたあと、午後の美術の授業を受けるため、菊ちゃんと美術室へ移動する。


「菊ちゃん……菊ちゃんが部活で忙しい先週ね、もう話し足りないくらいいっぱい色んなことがあったの」


廊下を歩きながら私がそう言うと、菊ちゃんはとても楽しそうに


「ね、萩。私も話したいことあるんだ」


と言った。


「え、何?」


「あとで話すね!どうせ美術の時間なんて隣の子と話してても怒られないじゃん」


と、菊ちゃんは何気なく失礼な発言をした。


芦屋先生は確かに私語をしている生徒をまったく注意しない。
むしろたまに会話を拾って話に入ったりもしている。


なんというか、誰も私語もせず黙々と授業を受ける徳山先生の世界史とは真逆だった。


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