こころ、ふわり
10 揺れる気持ち


美術の授業で、私が泣いてしまった日の放課後。


大会明けで部活が休みになった菊ちゃんと寄り道して帰ることにした。


菊ちゃんは私に聞いて欲しい話があると言っていたし、私も彼女に話したいことが山ほどあった。


いつもは手が出ない少し落ち着いた雰囲気のカフェに立ち寄る。


そこで私は甘くていい匂いのするクリームがたっぷり乗ったミルクティーをオーダーして、菊ちゃんにごちそうした。


彼女の優勝祝いもかねて。


「萩、ありがとね」


菊ちゃんは嬉しそうにカップを手に取り、ニッコリ笑った。


「今日部活が休みになって良かったぁ。ここんところ萩とゆっくり話せてなかったしさ」


「うん、そうだね」


私もうなずいて、出来立てのミルクティーを口に運んだ。


甘くて甘くて、口の中に柔らかい優しいミルクティーの味がふんわり広がる。

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