こころ、ふわり


「菊ちゃん」


「ん?」


名前を呼ぶと、菊ちゃんが顔を上げた。


「村田くんとうまくいくといいね」


私が微笑んでそう言うと、彼女はとても照れていた。


「な、なに急に」


「だってさ、菊ちゃんのこと好きになる人に悪い人はいないと思うんだ。菊ちゃんには世界一幸せなってほしい」


「萩はいっつも大げさなんだから」


冗談ぽくごまかれたけれど、私の本心だった。


いつも私は菊ちゃんに助けてもらっているなぁと実感する。


私たちは長い時間ミルクティーだけでカフェに居座り、たくさん話した後に帰宅した。











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