こころ、ふわり
星先生が決めてきたフロア見張りのローテーションの配置などは、以前に澪が予想した通りだった。
見事に星先生と同じ時間帯に徳山先生と芦屋先生を配置し、私たち生徒4人はかためてなぜか非常階段に配置されていた。
チッと澪が舌打ちするのが聞こえたけれど、私はそれでもいいと思えた。
数ヶ月後の私と芦屋先生の関係が変わるとも思えなかったので、それなら顔を合わせなくて済む方が気が楽だった。
電車に揺られながら、無意識に芦屋先生のことばかり考えてしまった。
芦屋先生に家まで送ってもらった日にもらった、紺色のチェックのハンカチ。
私はそれを今日、バッグに入れて持ってきていた。
洗濯してアイロンをかけて引き出しにしまっていて、使うのがもったいないと思っていたけれど、なんとなく今日はそれを使ってみようと思ったのだ。