こころ、ふわり
私と真司はそのあとファミレスでご飯を食べたあと、真司が行きたいと言ったスポーツ用品店をウロウロしたり、私に合わせて小物などが売っている雑貨屋を回ったりした。
足がそろそろ疲れてきたかな、と思った頃にはもう日が暮れていて、辺りは暗くなっていた。
「疲れた?」
私の歩くペースが遅くなったからか、真司が足を止めて顔をのぞき込んできた。
「大丈夫だよ」
と返事をすると、彼は怪訝そうに私の顔色を観察した。
「お前さぁ、嘘つくなよ。分かってるんだからさ」
「そ、そんなこと……」
急いで否定しようとしたけれど、思い直して真司に謝った。
「ごめん。足首が痛くなってきちゃって……」
「うん、いいよ。今日はこれで終わりにしよう」
私が本音を言ったので、真司は安心したように息をついた。
「萩と今日過ごして、改めて分かったことがあるんだ」
真司は私の目をじっと見つめていた。
私の胸がドキッとする。
目をそらすことができなかった。
「俺はやっぱり、萩のことが好きだ」
真司はためらうことなく私にそう伝えてきた。