こころ、ふわり


その日は朝から雨が降っていて、午後になるにつれて雨足の強さが増してきた。


間もなく冬を迎えるというのに、季節外れの台風が接近しているらしい。


朝の天気予報では夜遅くに1番接近するということだったけれど、放課後になった時にはすごい強さの雨と風が外を暗くしていた。


屋外でおこなわれる部活はすべて中止になり、室内での部活もいつもより時間を早めに切り上げて終わらせるよう、放課後に校内放送が流れた。


私は真司と職員室へ向かっていた。


今日は修学旅行の実行委員会がある日だったのだけれど、こんな天気でもやるのか聞きに行くつもりだった。


同じことを考えていたのか、職員室の入口に澪と、彼女と一緒に実行委員をやっている男子生徒が立っていた。


「あ、萩」


澪が私に気づいて手を振ってくる。


「今日はさすがに実行委員会は中止かなぁ」


彼女は窓に目を向けてため息をついた。


強い雨が音を立てて窓ガラスを打ちつけていた。


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