こころ、ふわり
「学校のこととかは今は考えなくていいから。吉澤さんはどうしたい?それだけ聞かせて」
ようやく泣き止んだ私の顔をのぞき込むように、芦屋先生も床にしゃがんで尋ねてきた。
私が答えに迷っていると、先生はさっきも言った言葉をもう一度続ける。
「俺は泊めたいと思ってる。吉澤さんは?」
「私……、私は」
自分で自分の手を握りしめる。
「泊まっていきたいです」
先生と一緒にいたいから。
単純にそれだけ。
もう私の気持ちは先生に伝わってしまっているのだろうな。
言ってから恥ずかしさが込み上げてきた。
「うん。じゃあ、そうしよう」
芦屋先生は優しい声でそう言うと、私の頭をポンポンと撫でてくれた。