こころ、ふわり
授業の終わりに、いつものように今日作ったものを芦屋先生に提出する。
私がとうていガーベラとは思えないくらい蛇に似た細長い作品を先生に提出したけれど、先生は特にこれといった感想もなく受け取ってくれた。
机に戻ってペンケースやスケッチブックを手に持った時に、モネの画集を先生に返さなければならないことを思い出した。
先生はみんなの作品を集め終わって、出席番号順に並び替えているところだった。
今忙しそうだし、放課後にまた来ようと決めて菊ちゃんと美術室を出ようとした。
すると後ろから芦屋先生に
「あ、吉澤さん」
と声をかけられた。
私が先生の方を見ると、何か言いたげな瞳で私を見ていた。
菊ちゃんが気を利かせて先に美術室を出る。
私と芦屋先生だけが美術室にいた。