こころ、ふわり


それから少しベッドで休ませてもらった私は、何か書類を広げて仕事をしているクニコ先生に


「具合、良くなったので戻っても大丈夫ですか?」


と話しかけた。


クニコ先生は私の顔色を見たり、立たせてバランスを見たりしたあとに少し安心したようにうなずいた。


「うん、いいでしょう。何度も言うけど、部活は休んで今日は帰ること。いいね?」


「はい」


「それから、朝ご飯は必ず食べること。いいね?」


「……はい」


もう倒れたりしないように肝に銘じる。


広げたままのカーテンをしまい込み、ベッドを簡単に整えると私は保健室をあとにした。


ちょうどそこへ、菊ちゃんと真司がやって来た。


「あ!萩!」


菊ちゃんが私を見つけるなりホッとしたように抱きついてきた。


「良かった~!心配してたんだからね~!」

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