こころ、ふわり
翌日から学校が通常通りに始まり、授業が開始された。
美術の授業は来週なのでとりあえず先生に会う機会はまだ先だと思っていたら、すっかり忘れていた修学旅行の実行委員会があった。
放課後にさっさと部活へ行こうとした私を真司が呼び止めてくる。
「実行委員会は?」
「…………あ!」
彼に指摘されなければ、私は完全に忘れていた。
「萩ってしっかり者に見えてうっかり者だよな」
2人並んで廊下を歩きながら、真司に厳しく突っ込まれた。
「まだ先だと思ってた修学旅行も、あと2ヶ月切ったんだな」
真司の言う通り、何も決まってなかった数ヶ月前を考えると私たちは頑張ってきたと思う。
全体で行く観光地や食事をする場所、それからグループで行動する自由行動の日、ホテルの部屋割りや細かい部分まで、もうほとんどが決定していた。
あとはそれをしっかりまとめて、旅行の冊子を作る作業が残されていた。