こころ、ふわり


透の家?


聞き間違いかとも思ったけれど、澪はたしかにそう言った。


「透の家って、と、と、……」


徳山先生の家ってこと?


と聞こうとして、澪が手で私の口をふさいだ。


「詳しいことはあとでメールするから」


「……」


私は無言でうなずくしかなかった。











その夜、めったに来ることがない芦屋先生から電話が来た。


私はお風呂から上がって、 パジャマ姿でリビングで両親とまったりテレビを見ている時だったので、携帯のディスプレイに先生の名前を見た時は驚いて立ち上がった。


弾かれるように突然立ち上がった私を見て、お父さんもお母さんもびっくりしたように私に目を向けてくる。


テレビどころではなくなって、私は携帯を握りしめて急いで自分の部屋に飛び込んだ。


< 383 / 633 >

この作品をシェア

pagetop