こころ、ふわり


芦屋先生が寝てしまったので、3人になったリビングに少しだけ静寂が訪れた。


澪がおそるおそる私に尋ねてくる。


「萩、聞いてもいい?」


「どうしたの?」


「芦屋先生とはどうなったの?」


私はそんなことを聞かれるとは思ってもみなかったので、目を見開いて澪を見つめた。


澪だけでなく、徳山先生もこちらを見ていた。


「そ、それは……」


私が口ごもっていると、徳山先生がニヤッと笑みを浮かべた。


「もしかして、もう付き合ってる?」


「……」


私は何も言い返せなかった。


隠そうにも私の力ではこの2人には隠し通せない気がしたし、2人には仲を取り持ってもらったこともある。


「そう。良かったね」


徳山先生はそう言って私の隣で眠る芦屋先生をチラッと見た。


「彼なりに葛藤はしてたみたいだったけど。俺のようにはなりたくないって」


「えっ?」


私が思わず聞き返すと、先生はフッと思い出し笑いをしているかのように笑い、


「校内で生徒とキスするような奴と一緒にされるのが嫌だったんじゃないのかな」


と言った。


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