こころ、ふわり


小樽のホテルに着いた頃には、私はすでにクタクタになっていた。


でもこれからもまだやることがある。


夕食をとる会場でまたクラスの点呼を取らなければならないし、夕食後は非常階段でフロアの見張り番。


さすがに消灯前のホテルの部屋回りは担任の先生がやってくれるので、そこだけは安心した。


ホテルの部屋はだいたいが4人一組になっていて、私が泊まる部屋は菊ちゃん以外に2人のクラスメイトと一緒だった。


夕食を済ませたあと、私以外の3人は消灯後のガールズトークを楽しみにしているようで、


「見張り番終わったら早く戻ってきてね!」


とそれはそれは楽しそうに私に声をかけてきた。


みんなで合わせて持ち込んだジュースやお菓子が、すでに部屋のテーブルに所せましと並べられている。


順番にお風呂に入るという菊ちゃんたちに見張り番に行ってくることを伝えて、私はホテルの部屋を出た。


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