こころ、ふわり


━━━━━2日目の夜。


函館のホテルでも前日と同様に夜は見張り番をすることになっていた。


芦屋先生の申し出により、私はエレベーターホールに、先生は非常階段という配置換えをおこなった。


今日は徳山先生は、ずっとエレベーターホールにいた。


やっぱり昨日のは思い過ごしだったんだと思う。


2人が体調が悪いと口裏を合わせて、どこかに出かけたんじゃないかなんて考えてしまった自分を叱咤する。


昨日の夜とは打って変わり、非常階段の方もエレベーターホールも、どちらも静かだった。


生徒たちもこれだけ見張りがいては外に出るのは無理だと諦めたようだ。


昨日の夜、私は部屋で菊ちゃんたちと日付が変わった3時半まで話し込んでしまった。


時間が進めば進むほど話が盛り上がってしまって、特にガールズトークと言えば恋話ということでみんなでお互いの恋愛事情を話したり。


私は彼氏はいないということにした。


仮に芦屋先生のことを伏せて付き合っている人がいると話をしても、みんなが期待しているような楽しい話をすることも出来ないし、どれもこれも隠さなきゃならないことだらけで疲れてしまいそうだったからだ。


< 449 / 633 >

この作品をシェア

pagetop