こころ、ふわり


「え、なに?なんかあったのかな」


菊ちゃんが眉を寄せて私の腕を引いてきた。


「見てみよう!」


「う、うん」


こんなに大騒ぎになるなんて、いったい何があったのだろう?


私も興味本位で菊ちゃんの後ろについて、掲示板に向かった。


掲示板の前の大きな人だかりの中で、女子生徒の悲鳴にも似たような声が口々に上がる。


「信じられない」
「嘘でしょ?」
「ありえない」


というマイナスの言葉たちが私の耳に入ってくる。


掲示板には2枚の紙が貼られていた。


多くの生徒たちの間を縫うように、私と菊ちゃんはみんなの注目の的になっている紙を必死に見ようとした。


その紙は、よく見ると1枚は写真を拡大したもので、もう1枚は太字で手書きで何かが書かれている。


写真はよく見えなかったけれど、その文字だけはしっかり見えた。


『徳山先生×2-6相川澪』


という文字。


私の頭は真っ白になった。


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