こころ、ふわり


お互いがお互いをかばっているんだ。


相手はまったく悪くない。
悪いのは自分だから。
だから少しでも処分を軽くして欲しい。


きっとそういう思いからだ。


「高野先生。吉澤さんはきっと本当に何も知らないと思います。彼女、本当に真面目でそういうのとは縁遠いっていうか」


星先生が高野先生にそんな私の説明をしているのを見ていたら、なんだか2人の姿がぼやけて見えてきた。


少し驚いたように高野先生が目を見開く。


続いて星先生が慌てて私のそばに駆け寄ってくるのが見えた。


「吉澤さん、泣かないで」


そう言われて初めて自分が泣いていることに気づいた。


「悪かったな。知らないのにこんなところまで呼び出して。いや、申し訳ない」


さすがの高野先生もたじろいで謝罪の言葉まで私にかけてくれた。


私は首を振って2人の先生に聞いた。


「徳山先生と澪は、どうなっちゃうんですか?」


でも、この問いかけに先生たちは答えてはくれなかった。


ただ一言、「まだ協議中だから」と、それだけ言われた。


またひとつ、私の心に不安が募った。











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