こころ、ふわり


私と芦屋先生が別れてから初めての美術の授業がやってきた。


もう本当にこの日は、朝から学校に行きたくないと何度も思ったし、いっそのこと休もうかとも思った。


でも私が休んだりしたら、きっと先生は気にしてしまうだろう。


それが申し訳なくて、私も勇気が出なくて、結局普通に登校してしまった。


「顔色悪いけど大丈夫?」


美術室へ移動する際、若菜が私の冴えない表情を見て心配してくれた。


「無理して授業受けることないんじゃない?」


と澪もそう言ってくれたけれど、私は「大丈夫だよ」と無けなしの笑顔を2人に向けた。


ここ数日、まともに眠れていなかったから、なんだか足元もフラフラした。


< 508 / 633 >

この作品をシェア

pagetop