こころ、ふわり


私は2人にお礼を言い、出ていくのを見送ったあともう一度ベッドに体を沈めた。


睡眠不足のせいで、体がだるくて頭痛もした。


クニコ先生に言われた通り少し眠ろう。


ゆっくり目を閉じた。












1時間ほど眠った私は、クニコ先生にお礼を言って保健室をあとにした。


そのまま弓道場へ行き、顧問の先生に左手の怪我と倒れたことを説明して、今日は部活を休むと伝えた。


左手が使えなくても、筋トレをしたり走り込みは出来るので休む必要は無い。


顧問の先生の承諾をもらって、私は今日は帰ることにした。


自分のクラスへ戻り、夕日が差し込む教室の窓からグランドを見下ろした。


陸上部で練習している真司の姿を探したけれど、見つけられなかった。


保健室まで運んでくれたお礼を言うのは明日でもいいか、と自分の席からカバンを取る。


携帯をスカートのポケットから取り出してメールなどを確認していたら、あることに気づいた。


ずっと携帯につけていた、赤いとんぼ玉のストラップが無くなっていた。

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