こころ、ふわり
三者面談を終えて、トイレに寄っていくというお母さんを待っている間、廊下でボーッと外を眺めていたら後ろから女の人の声が聞こえた。
「吉澤さん」
私を呼ぶ声の方を振り返ると、玉木先生がいた。
一緒にして空気が固まる。
玉木先生は優しく微笑んでいて、その笑顔が私には少しだけ怖くも感じた。
「三者面談の帰り?」
「あ、はい……。母を待っていて……」
消え入りそうな声で受け答えする私を、玉木先生は手招きした。
いったいどこへ連れていこうというのだろう?
「少し話すだけだから」
と言うので、仕方なく玉木先生についていくことにした。
そばにあった空いている教室へ入った私と玉木先生の間には、なんとも言えない気まずい沈黙が流れていた。