こころ、ふわり
今でも時々、帰るときに放課後のグランドから渡り廊下で芦屋先生が缶コーヒーを飲んで休憩している姿を見かける。
1人で、何を考えているのだろう。
私はいつも遠くからその姿を見つめることしか出来なかった。
短い冬休みも1月に突入した頃。
私は専門学校の面接に向けて、星先生に練習をお願いしていたので毎日学校へ足を運んでいた。
1月中旬に面接試験を控えている。
無事に校内推薦はもらえたので、あとは面接を通過するだけだった。
冬休みでも各部活での練習はいつも活気がある。
教室の窓から賑やかなグランドを見下ろして、星先生を待つ。
穏やかな時間が流れる中、私はグランドで見慣れない姿を見つけて身を乗り出した。
芦屋先生が野球部の練習に混ざって、キャッチボールをしているのが見えたのだ。
そういえば先生は学生時代、野球部に所属していたんだっけ。
とても意外だったからよく覚えている。