こころ、ふわり











その後、私は練習の甲斐があって専門学校の面接を難なくこなし、無事に合格した。


芦屋先生が「頑張ってね」と言ってくれたおかげで、少し自信がついたような気もしていた。


合格したことは先生に伝えられていないけれど、いつか自分の口で伝えたいと思った。


受験組の若菜を含めた他のクラスメイトはピリピリしていたけれど、推薦で合格が決まった数人はのんびりと授業を受けていた。


そして1月のある日、衝撃の事実を知ることになった。


休み時間に澪が私と若菜に、コソッと白い封筒を渡してきたのだ。


それぞれに「吉澤萩様」「服部若菜様」と細めの筆字で書かれている。


「これなに?」


改まった様子の澪に、おもむろに尋ねてみる。


でも澪はニコニコと笑っているだけで何も答えない。


私と若菜は顔を見合わせて首をかしげたあと、封筒を裏返しにしてみた。


差出人が「徳山透」と「相川澪」と印字されている。


徳山透って、徳山先生?


「開けてみて」


と、澪は私たちにそう言った。

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