こころ、ふわり


「入籍は卒業式のあとすぐに透と2人で届け出る予定なの。挙式も披露宴も本当に少人数でやるつもりなんだけど、萩と若菜にも来てもらいたくて。大丈夫かな?他に予定入ってないかな?」


少し照れたように笑う澪からは幸せいっぱいのオーラが溢れ出していて、こっちまで温かい気持ちになる。


「行けるよ、大丈夫」


と私が答えると、隣で若菜も元気よくうなずいていた。


「行くに決まってるじゃん!もし他に予定あっても全部キャンセルしちゃう!」


「ありがとう」


嬉しそうな澪に対して、若菜がふと思い出したように


「え?てことは……進学しないんだ?」


と聞いた。


「うん。しないつもり。しばらくは主婦かな」


主婦という、聞き慣れない言葉。


徳山先生はきっと、最初からそのつもりで澪と付き合っていたんじゃないかと感じた。


そういう覚悟があったからこそ、学校に交際が知られてしまった時も辞めることさえ躊躇わなかった。


いかに2人が大人の付き合いをしてきたのかが伺える、結婚という決断だ。


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