こころ、ふわり


招待状なんてもらったのはもちろん初めてだったから、隅々まで目を通す。


市内のホテルが会場のようだった。


何を着ていこうとか、どんな髪型にしようとか、私も若菜もテンションが高まってしまって興奮状態だった。


「ね、萩」


澪が少し声をおさえて耳打ちしてくる。


「結婚式、芦屋先生も呼んでるから」


「えぇっ?そうなの?」


とっさに出た声は上ずってしまって、言ってから冷静に考えて納得する。


なんだかんだで徳山先生と芦屋先生は連絡を取り合っているようだし、澪たちのことを早い段階で知っていた数少ない人間のうちの1人だ。


「あのね、余計なお世話かもしれないんだけど」


澪がちょっとためらいがちに、言葉を選ぶように一言ひとこと気をつかうみたいに、私を見つめた。


「その時に、もう一度だけ芦屋先生に告白してみない?」


「ど、どういうこと?」


そんなことを言われるなんて思ってもみなかったから、「告白」という二文字に動揺してしまった。


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