こころ、ふわり
でも引き受けてしまったものは仕方ない。
軽い足取りで廊下を歩いていった星先生の後ろ姿を見送ったあと、受け取ったノートを見下ろしてため息をついた。
「修学旅行いつだっけ?」
と、普通に聞いてくる真司。
真司も内心は面倒くさいと思っているのだろうが、なぜ急にやる気になったのか。
「来年の3月だったはず……。北海道だよね」
うちの学校は毎年北海道へ修学旅行に行く。
それは今年度も変わらない。
「ま、仕方ないな。じゃああとで放課後な」
頑張ろうぜ、とばかりに彼は私の肩を強くトンと叩くと教室へ戻っていった。
私はもう一度、今度はさっきよりももっと深いため息をついて同じように教室へ戻る。
すぐさま菊ちゃんが私のそばに近寄ってきた。