こころ、ふわり


彼女と目が合う。


とても綺麗な顔をした、大人びた印象の子だった。


すらりと背が高く、髪の毛も胸のあたりまであるくらい長い。


同じ2年生であることに驚いた。
同級生だったのだ。


彼女は私をしばらくじっと見ていたけれど、目をそらすと廊下に近い場所に座った。


こんな形で会うことになるとは思ってもみなかった。


そのうち2年生の担任や、教科を担当している先生たちもゾロゾロと教室に集まってくる。


驚いたことに、その中に徳山先生の姿もあった。


昨日のことが一気に思い出される。


暗い資料室で抱き合っていた徳山先生とあの子。
よく見えなかったけれど、キスしていたと思う。


先生と生徒なのに、こんなことが許されるのだろうか。
バレた時にどうするのだろうか。


そんなことを考えているうちに、他の先生たちから少し遅れて芦屋先生も教室にやってきた。


芦屋先生は私には気がつかない様子で空いている席を探して、少し後ろのあたりをうろついていた。


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