こころ、ふわり


実行委員会では、2泊3日の修学旅行の日程でどのように北海道を回るかを、これから時間をかけて話し合うことになった。


2日目はクラスでグループを作って自由行動をするので、詳細を各クラス決めてくること。
また、ホテルの部屋割りなどもホームルームの時間に決めるように言われた。


高野先生は実行委員がやるべきことをひと通り説明したあと、


「マナーをしっかりと守った楽しい修学旅行になるように、みなさん協力して頑張りましょう」


と言って、各クラスの実行委員に冊子を配ってくれた。


私と真司の元にも冊子が届けられる。


そこには先ほども言っていた修学旅行の日程や、泊まるホテル、行きと帰りの飛行機時間など、まだざっくりとしか決まっていないことだけが書かれていた。


「1日目と3日目は全体で動くことになるので、どこに行ったらいいか委員たちで候補をいくつか挙げておいて欲しい。来週の委員会で話し合うので」


高野先生の言葉を、私はなるべく聞き漏らしのないようにノートにメモをとった。


「じゃあ今日は顔合わせ程度のつもりだったから、各クラスの実行委員とここに集まった先生たち、全員自己紹介でもして終わりにしようか」


まったくもって笑うところではないのに、高野先生が豪快に笑って教卓から下りた。


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