変な会社のルールブック
その話の雲行きが怪しくなったのは2週間ぐらいしてからだ。

「結婚したい」
「ずっと一緒にいたい」

恋愛すれば誰でも思うことだと思う。
その気持ちが歪み始め、Iさんは時々、彼との長電話で朝起きれなくなり、遅刻をしてくるようになる。

いつしか、仕事をやめて彼についていきたいという気持ちが別の方向へ向かい
「Z主任は私を仲間はずれにして仕事を回さない」
とか
「このままじゃ数字なんか挙がらないけど、この会社はそれに気がついてない」
など、仕事に不満があるから会社を辞めるのは正しいと正当化し始めた。

まぁ、辞めて彼と一緒にいたいならそうすればいいんだと思ったので、
「辞めて、彼のところに転がり込んだら?」
と話はしていた。
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