わたしとあいつ
「さすがに、お袋に泣かれたら、行かねぇとは言えなくて。」

威はあたしから見えないように、後ろを向いて頭をかいた。


「意外だね。」


「よく言われる。」


そう言って、照れた顔でこっちを向いた。
一瞬、あまりに綺麗な顔だったから、ドキッとしてしまった。


――…キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴って、4時間目の授業が終わった。
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