かたおもい
学校よりも好きな職場
自然に気分もあがってしまう。
いつものように勤務を終え
裏に戻ると知らない人が
店長と座っていた。
「お疲れさまです…」
控え目に入っていくと
その人が振り向いた。
ドキッ!
…んんん?
今あたしドキッて!
状況がうまくよめないまま
店長が説明を始めた。
「あいちゃん、来週から
キッチンに入ってもらう
鈴木 光輝くんです!」
あっ、名字一緒!
「えっと鈴木 愛です!」
「光輝です。お願いします。」
軽く動揺している
あたしとは反対に
すごく落ち着いた雰囲気の
低い声の主にあたしはやられた。
今まで人を好きになったことが
ないあたしが「一目惚れ」だ。
17年生きてきてあたしは
初めて人を好きになった。
このときが
全部のはじまりだった。