愛想人〜アイオモイビト・幼なじみ〜
あたしとアナタ
「んっ………ぁ…」
ギシギシと軋むスプリングの音にあたしの口から漏れる甘い声と吐息。
「…やっ………ダメぇ…」
ダメと言っても聞いてはくれない、彼氏でもない人。
あたし達は身体を重ねる関係にある。
"幼なじみ"っていう関係でもあるが夜の0時になれば世間一般では"セフレ"という関係になる。
あたし柚木 梨羽(ゆずき りう)はお隣りに住んでいて幼稚園の頃からずっと一緒の、腐れ縁でもある御堂 魁迩(みどう かいじ)と幼なじみ。
家が隣同士でしかもあたしと魁迩の部屋はベランダを挟(はさ)んで50センチあるかなしか…という距離。
なのでお互い、簡単に行き来ができるのだ。
この0時を過ぎると"セフレ"という関係になるためその数分前にベランダから魁迩の部屋へと行っている。
でもね…この関係になったからって学校では避けてる…なんてことはない。
むしろ普通の幼なじみとしてお互いに接している。
当たり前だけどこの関係は誰にも言っていない…いや、言えるはずがない。
それでもあたし達は身体を重ねることをやめない。
こんな関係になったのは一年前………。