愛想人〜アイオモイビト・幼なじみ〜

ヤキモチ


あれから早退させてもらったあたし。


家に帰って色々考えてみたが何にも思い浮かばない。


頭はいいのにこーゆう時に限って何も思い浮かばないもんだから意味がないように感じる。


ベッドに寝転がってふと時計を見た。


時刻はすでに5時。


もう魁迩が帰ってきてもおかしくない時間帯だ。


まぁ…帰ってきたからと言っても何かあるわけではないが。




開けっ放しの窓から心地好い風が入ってくる。


ベッドに寝転がって目を閉じたまま風を感じていると…微(かす)かに香水の香りがした。


だが特に気にしないあたしは放っておいた。


ギシッというベッドが軋む音と瞼越しでも分かる影ができた。


驚いて目を開ければ悩みの一つになっている魁迩の姿が視界一杯に広がった。




「な…か、魁迩………なんで」


めちゃくちゃ吃って自分でも何を言っているのかイマイチ理解しにくかった。


「………平気そうだな」


そんなあたしを他所に一人呟いて納得している魁迩。


平気そうだなっていうぐらいだから少しは心配してくれたのかな?って思ったけど…そんな考えをしたあたしがバカだった。





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