愛想人〜アイオモイビト・幼なじみ〜

ボー然と立ち尽くすあたしを我に返らせたのは周りの女生徒の悲鳴だった。


あたしは居心地悪くなりいそいで教室に行った。


傷ついている魁迩の表情なんか見もせずに━━━…。




教室はプリティ王子を中心に賑わっていた。


あたしは鞄を机に置いて気づかれないように教室を出た。




屋上で雲一つない空を見上げながら考える。


あたしに"妬かせる"なんて考えは一切なかった。


だけど絢にとっては妬かせる行動になっていただなんて………。


しかも罰が頬にキスだなんて…。


思い出して顔を真っ赤に染めているあたしは他の人が見れば不審に思うだろう。




頬に…絢の触れた唇の感触が残っていてやけに熱を帯びているように感じる。


その考えを消すかのように頭を振った。


その刹那、冷たい風があたしの頬を撫でていった。




あたしは…妬かせたいわけじゃない。


ただ…いつも通りの行動をしただけ。


それすらいけないことですか━━━…?





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