愛想人〜アイオモイビト・幼なじみ〜
揺れる心
ふと目を開けると今さっきまでの雲一つない空とは打って変わり、雲一面で今にも雨が降り出しそうな天気だ。
時間に疑問を感じて携帯を開いてみた。
……………。
ぇ、マジですか? この時間。
見間違いかと思いもう一度確認してみるがどうやら見間違いではないらしい。
10時30分過ぎ。
すでに2限目の途中だ。
今までサボったことがないあたしにとっては事件と言っても過言…ではない、うん。
どーするべきだろう…と悩みながらふとグラウンドを見下ろした。
………。
「あ」
あたしの視線の先には魁迩と絢がいた。
無邪気な笑顔で同級生達とサッカーをしている二人。
笑顔を見ているこちらまで笑顔になれる感じだ。
あれ?
でも同じクラスの二人が体育してるんならあたしも体育じゃない?
そんなことが頭の中を過ぎる。
が、こういう日がたまにはあってもいいかな?と思い再びグラウンドに視線を戻した。
絢が綺麗なシュートを決めて魁迩とじゃれあっている姿を見て、あたしはキュンとした。
これは…魁迩にたいして?
それとも…絢にたいして?