愛想人〜アイオモイビト・幼なじみ〜
相変わらずあたしの背中に抱き着いて………背中?
はれ?
今日はなぜか背中より胸の方が暖かいような………?
空に向けていた視線を下にするとなんと今日は前から抱き着いているではないか!!
「ちょっ…絢!?」
しかもあたしより背が高いのにわざわざ低くして抱き着いているから胸に顔を埋めるような感じになっている。
スリスリと顔を擦りつけている。
背中ならなんともないがさすがに前は………。
「やっぱり梨羽って抱き心地いいー。 ホント、最高☆」
すみません…あたし、絢が分かりません。
助けを求めるように魁迩を見れば見るからに不機嫌そうなオーラを出しているではないか。
ここで若干の焦りを覚える。
なんであたしばっかりがこんな目に合わなきゃいけないのー!?
こんな心の叫びは誰にも届かないのだった………。
あれから気まずいまま学校に来たあたし達。
絢は魁迩の機嫌なんてお構いなしにあたしに話しかけてきて、不機嫌な魁迩はというと学校の生徒がちらつくようになれば不機嫌なオーラをしまったが機嫌が悪いことなんてあたしには分かっている。