愛想人〜アイオモイビト・幼なじみ〜

この変わり様はなんだ?


疑問に思い問うても簡単にかわされる。


今日のみんなはあたしをいらつかせる天才だね。




一人になりたくて来た場所はお気に入りの屋上。


澄み切った空が眩しい。


だけど爽やかな風がそれを和らげているような感じで心地好い。


そっと床に寝転べば満面の笑顔の絢が視界いっぱいに━━━…って絢?


ちょっと待て。


視界に映るのが空なら分かるよ、うん。


だけど、絢だって?


あたし、目ぇ悪くなったかな…。




「梨羽〜? 心の声、駄々漏れしちゃってるよ? てか現実逃避ってやつ?」


声まで聞こえるなんて…あたし、末期かな?


なんて考えたけど…肩に感じる手の感覚で現実だと知らされる。


「………絢ー!?!?!?」


あたしの叫び声にビックリしたのか肩を震わせた。


「声デカっ!! てか反応遅っ!!」


言われてしまったよ…。


声デカいのも反応遅いのも知ってるよ、うん。


言われたくなかったよ………。




てか今、言うチャンスじゃない?


ふとそんなことを思う。


にしてもなんでココに絢が?


疑問が浮かぶ。





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