愛想人〜アイオモイビト・幼なじみ〜
「うん、梨羽? また心の声、駄々漏れしてるよ………」
あぁ、すみません。
てか思ってることが分かってるんなら疑問に答えてくれません?
「…その目線、怖いから」
苦笑いで言われちゃったよ、あたし。
「梨羽が教室出ていくの見えたから、ついて来ちゃった☆」
………。
なんつー軽いノリなんだ…。
しかも"ついて来ちゃった☆"ってストーカー宣言?
もしそれを知らない人に言ったなら確実にストーカー扱いされちゃうよ!!
と心の中で叫んでみる。
「あれ? 無反応とか…ひどくない?」
ジッとあたしを覗き込んでいる絢との距離はたったの10㎝。
どうりで近いはずだよ。
って納得してる場合じゃなくて。
「梨羽?」
低くて甘い声で囁かれた。
その変わり様と声に頬を朱く染める。
寝転んでいるから顔を俯かすこともできないから横に逸らした。
「こっち向きなよ」
強引に絢の方を向かされた。
「梨羽、好きだよ」
今までで最高に甘い声で愛を囁いてくれた。
「あたしも…」
小さかったけど絢には届いたあたしの声。