愛想人〜アイオモイビト・幼なじみ〜
ってちょっと待とうよ、自分。
何乙女らしくなっちゃってんの!?
百面相をしていたらしく絢に笑われて気づいた。
じゃれ合いになったのは気にしないでください。
家について部屋に入った時、忘れていたことを思い出した。
魁迩との関係━━━…。
絢と付き合ってるんだから、解消しなきゃ。
大丈夫だよ、ちゃんと言えば納得してくれる。
夜。
とうとういつも身体を重ねてた時間がきた。
だけどあたしは行かない。
でも窓の鍵は開けておいた。
魁迩が来てもちゃんと入れるように━━━…。
30分後。
コンコン
窓からノックの音が聞こえた。
開けるとそこには見慣れた魁迩。
多分、魁迩はあたしが行かなかった理由を分かっている。
昼休みにあんなに噂が広がってたんだから。
そしてあたしがこれから言うことも分かってると思う。
無言でベッドへ座る魁迩。
あたしは椅子へと座った。
お互い、無言のまま時間が過ぎていく。
「魁迩、この関係を終わりにしよう」
魁迩から目を逸らさずきちんとそう告げた。