愛想人〜アイオモイビト・幼なじみ〜
えー…
なんか好き勝手に言ってあたしの返事も聞かずに行っちゃったんですけど………。
了承とか言わないけどさ?
せめて何か言葉聞いてどこかに行こうよ。
人の話は最後までちゃんと聞きなさい!!って習わなかったのかな?
まぁ…へたに反対されるよりかはマシだけど。
嫌がらせもなさそうだし…あたしって恵まれてる?
なんて思いながらボーッとしてたあたしを覗いてる人がいるなんて気づきもしなかったんだ…。
「梨羽ー? 帰るよ?」
プリティスマイルを振り撒きながらそう言う絢。
うわ…眩しッ………。
そこら辺のアイドルとかよりも数百倍可愛いですから!!
こんな人があたしの彼氏で…しかも好かれてるなんて………あたしってかなりの幸せ者じゃない?
「待って、今行く!!」
ニヤける顔を隠しながら返事をした。
隣には愛しい彼氏。
会話もかなり弾んでいる。
なのに…なのに、何かが足りないんだ。
楽しいのに…心にぽっかりと穴があいてるような感じ。
寂しさが心の半分を占めてる。
この気持ちに早く気づけたのならよかったね…。