愛想人〜アイオモイビト・幼なじみ〜

胸の蟠(わだかま)りがとけないまま、朝を迎える。


最近、こんな感じばっかりだ。


ハッキリ言うと………自分の気持ちが分からない。


今は…なんで絢と付き合ってるのかさえ分からないんだ。


一緒にいると楽しい。


それに偽りなんてないって言い切れる。


だけどトキメキがない。


好きって…そもそもどういう気持ちだっけ?


それすらも分からなくなってるなんて…あたし、重症だね………。




「梨ー羽」


満面の笑みの和嘩。


この顔………なんか企んでる。


長年の付き合いのおかげ?で分かってしまうあたし。


あ、それはお互い様か。


「…何? 変なお願いなら聞かないからね?」


距離を置くように遠い目をしながら言った。


「…ちょっと、あたしがいつも変なお願いしかしてないような言い方やめないかな?」


ニコニコ笑いながら言った和嘩だがハッキリとどす黒いオーラが隠し切れていない。


こ…怖ッ!!


「はい………どぞ」


怯えながらそう言うとどす黒いオーラは消え去った。


残ったのは可愛らしい笑顔だけ。


あー…怖かった…。





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