愛想人〜アイオモイビト・幼なじみ〜

ブンブンと勢いよく頭を振って、落ち着こうとする。


………結果。


頭がクラクラしただけでした。


あぁ…あたしって馬鹿かも。


こんなこと(勢いよく頭を振る事)すれば誰だって頭がクラクラすることくらい分かるのに…。


頭を押さえて靴箱に寄り掛かる。




クスクスと聞こえる笑い声。


顔をしかめてその声の方に向けばあたしを混乱させた張本人が笑ってるではないか。


「梨羽…面白すぎ………。 顔を真っ赤にさせたり頭を振ってみたり…可愛いね」


………。


!?!?!?!?!?


この人…サラっと『可愛い』とか言っちゃったよ。


ぅ…絢でそれなりに慣れてるとはいえ………やっぱり照れる。


頬を赤く染めて下に俯くと喉の奥で笑いを噛み殺すような笑いが頭上から聞こえた。


プーッと頬を膨らまして上を見上げればニコニコ笑顔の桐先輩。


畜生………いくらあたしでもこんな笑顔見せられたら許しちゃうじゃないか!!


生まれ持ったモノ(顔)がいいと許されるとかズルイな………。


諦めて膨らましていた頬から空気を抜いた。





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