愛想人〜アイオモイビト・幼なじみ〜
あーぁ…なんでこの授業出ようと思ったんだろ?
みんなに聞こえないようにソッとため息をついた
………が。
「ため息なんかついてると幸せ、逃げるよ?」
聞き逃してなかった人が一名。
ここは普通、聞いてても聞こえなかったフリをするべきだろ!?
まったく………。
「魁迩…」
ここんとこは空気読んでよね………爽やか王子。
でもここは優等生として(?)。
「ありがとう、魁迩。 心配かけてゴメンね。 大丈夫だから」
優等生スマイルもつけて完璧。
魁迩もそれに気づいてるらしく………嘘臭い(あたし的に)笑顔を浮かべながら…
「そう、よかった。 梨羽には笑顔が似合うんだから笑顔でいて」
と言った。
この会話の本当の意味で気づけた人はおそらくいないだろう。
あたし達…演技派だな………。
ふと思い出す今朝のこと。
桐先輩………。
何事もなかったかのように話しかけてきたよなー。
図太いっていうか…なんていうのか………。
てかあたしにあんなこと─頬っぺたにキス─して平然としていられるって………。